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empower channel#3 かぴばらさん インタビュ-書き起こし全文

当事者メディア「empower channel」#3 かぴばらさん インタビュ-書き起こし全文

インタビュアー:和根崎いくえ

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ー理不尽なルール・禁止令ー

 

わ)かぴさんの育った家でのルール条件づけ、禁止令などについて教えてください。

か)はい。うちの家は俗に言う今でいう家父長制バリバリのルールで、父が、男性が一番偉い、女性はそのままお手伝いとかをするものだっていうのがベースのルールであって、プラス、「泣いてはいけない」とか「怒ってはいけない」とかっていう・・「感情を出してはいけない」というのは言われてる感じでしたね。

そして父が、伝え方が下手だったんだろうなとは思うんですけど、家長制度で、「女は勉強しないと犯される」って、ずっーとちっちゃい頃から聴いて育っていました。

 

わ)女は勉強しないと犯されるって言うのは何歳くらいから言われてた記憶がありますか?

か)幼稚園4歳ぐらいには言っていたと思っています。

 

わ)その時に犯されるっていう言葉って分かってましたか?

か)全く分かってはなかったんですけど、あとから、家で、大人の雑誌を見つけてしまって、字を見るのがのが結構好きだったから読んでたら、そのうちにこういうことなのかっていうのがわかったんだけど、また改めてお家に聞くほどでもないしなって感じで、言葉のニュアンスから軽蔑的な意味なんだろうなっていうのは理解してました。

 

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性的虐待 被害の状況 1ー

 

わ)子どものころから性暴力を受けていたということですが、、受けた暴力について教えていただけますか

か)そうですね、近所の子たち子供達とお兄さんお姉さん達がいて、その当時子供が多かったので一緒になって遊んでたんですけども、女の子は私しかいなくて、その中の年上のお兄ちゃんが裏に住んでいて、(当時)歌の中で’パンツを見たい’とかが流行ってたということがあって、それを’見せてくれ’みたいな感じで、こっちは全く何をされてるかわからなかったんですよね・・・、

それを真似して今度は家の中で弟が私に体を触ってきたりとか、パンツを脱がすとかっていうのがあって・・・でも最初はそういうのは(なんなのか)分からなかったです。 

 

で、いちばん事件性なったっていうのは、丁度母が入院してるときで、母の見舞いに歩いて行ってる時ですね、6歳です。

小学校の間を抜けてたんですけども、当時小学校で誰でも入れるような感じになってて、中学か高校ぐらいだったと思うんです相手は。

「小学校に今度あがる子だよね」みたいな感じで、「ちょっと用事があるから」って言って小学校校舎内に引き込まれて、レイプされたんですけども・・。すごい泣いて、泣いて、「解放してくれ」って言ったら解放してくれて、学校内だったから、平日はお休みだったと思うけも、他の職員さんとかいたんだと思うけど誰にも発見されなかったっていう状態で・・。  

その後、母の病院に行かないといけないけど、すごい顔は泣いてるけど、やっぱその、親から「泣いてはいけない」っていうのと、母が入院してたので「あなたがお母さんの代わりをしなさい」とのことで家の事をやっていたので、やっぱその、両親にも誰にも言えず・・っていう感じだったんですよね。

 

わ)心配かけたくなかった?

か)いや、怒られると思った。泣いたのがばれると怒られるし。

そうですね、誰にも言えず誰にも気づかれずだったんですけども数ヶ月後かな、同じところで同じ歳ぐらいの子がまた同じような被害にあった後に裸で近所の防火用水とかに浮かんでたっていう事件があってひょっとしたら同じ犯人かもなと思って自分がなっちゃったかもなーっていうのはちょっと思った記憶があります。 

 

わ)何を想った?

 か)・・記憶がないです。

 

 

性的虐待 被害 2ー

 

か)9歳から15歳までお父の知人で憲法の先生をやってる人から、9歳から6年間、性暴力に遭っていました。

うちの父がなんだか飲み会が好きなのでその人よく家に呼ぶんですよね。 呼んだら、自分達はまだ仕事が残ってるからって言って両親二人とも家からいなくなって、子どもたちと3人とその人だけになるんですけど、そしたらその人が私の布団に入ってきては、いろいろやろうっていう感じで、ある日それをうちの母に「気持ち悪いことされた」って言ったんですけど、そしたら、憲法の先生なので、「なんてことを先生に言ってるの」っていう感じですごく怒られたんですよね。すごく叩かれて・・。 そうなのか、これは別にアレなのか、と思ったんですけど、他の子にはしないし弟にもしないしおかしいなっていう感じだったんですが。。。だんだんそれがエスカレートしていって、そのうちにその人が勉強を見てやるからっていう感じで家に来いっていう感じで呼ぶんだけど、私は行きたくないんだけど、家の父母は「勉強教えてもらうなら行きなさい」みたいな感じで連れて行かれる、っていう感じで、そんな感じで、しかも「秘密だよ」って言われるから、打ちのめされるっていう感じで・・  

やっぱそれも誰にも言えず、自分も嫌だなと思うけど抵抗しても怒られるし、黙っとけば終わるから・・。 

終わった後に、その記憶を消すって感じだったと思うんですけども。  

そんな感じで15歳までその被害を受けていました。

で、途中、何回も行きたくなくて「辞めたい」って言うんだけど、母にしてみたらただただ「続けるこらえ性がなくて言いたいだけだ」みたいな感じだったので、ずっと怒られて、その度に戻されてっていう感じだったんですよね。

でも15歳の時、何をされてるかわかってきたのもあって、私も事を荒立てたくないっていうのもあったので、「受験勉強があるからやめたい」って言って辞めさせてもらったんですけど、今度はうちの父は「女は勉強しないと、頭が良くないと犯される」っていう考えなので、そのぶん成果をあげないといけなくなったんですよ。だけど、やっぱりそんなにテストもそういう渦中のなかなので、頭の中でとっちらかってる状態だったりで、やっぱりそのまま高校受験がその親の希望するとこにいけず、絶望された顔で見られたからどんどん家の中で居場所がなくなって・・・、

どうしたらいいかわからないけども、その時に、ふと、加害者といた時っていうのは(自分は)対象物としてはその役割があったな、と思って。なんか、その、その存在さえもないのか・・っていうかんじでしたね。自分が なんなのかっていうのがわかんなくなったっていう時期でしたね。

 

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ーSOSについてー

 

わ) SOS って他に誰か出したこととか、相談した他者はいましたか?

 か)ないですね。そもそもが、アトピーで、学校でもいじめられてた子で、いじめを先生が率先してやってるところがあったので・・。

 

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ー加害者についてー

 

 わ)お家に出入りしてた加害者は身近だったということですが、今は?

 か)うちの弟達が繋がりがあるので、すぐに来るっていう感じの関係性であるし、ちょっと権力を持ってる人っていうのもあったりなんかして、そこで繋がりがあるみたいなので、 出来るだけ避けるようにはしています。

 わ)加害者のことをどんなふうに考えていますか?

 か)特にはないんだけど・・本当は世間的にはこういうことがあったっていうので刑事訴訟なども起こせるんだったら起こしたいけども、実はもう時効になってるっていうのと多分それをやったところで相手が権力者/土地の権力者みたいなところがあるので私が言ったところで多分口塞ぎなるんだろうなと思ったらそこに勝つっていうカロリーは自分には残ってないなっていうところでもう関わらないっていう選択をしています。

 

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ー進路を決めるときー

 

わ)加害者との関わりになっていた拳法をやめて、進路について教えてもらえますか?

か)加害から逃げるっていう口実で勉強をしなきゃって感じだったんですけども、親の期待するほど成績が上がらなくて高校受験失敗。家は東京の理系の大学じゃないと絶対に駄目って事だったんですけど,元々無理だったので文系で何とか手を打ってくれたんですけど、自分たちはお金は出せない・自分でなんとかしろって言われたんですよね。それで何とかしろっていっても高校生のアルバイトでっていうのもあって、ものを友達に売ってお金を貯めたりとか、結構大きなお金を貯めました。でも受験の一月くらいかな、自分の通帳を見たらそのお金が全部なくなってたんですよね。多分(犯人は)親だろうと思ってて、けどもこっちとしては聞いたところでこんなお金どうしたんだと言われたらなんとも言えないなと、それは聞かずじまいで・・。

 

 進学直前になって「就職してくれ」っていう風に言われて、それで今まで「大学に行け大学行け」って言ってたのに急に今度は就職か、、と思ったこともあったけど、当時まだ求人があった方だったので自分で見つけて就職を探して行きました。 ただ、うちの母がちょっと認識が(おかしくて)後から聞いたら「結局あんた受験に落ちたから就職したんだよね」みたいな感じで言われたりとかして。ただお金のことも深く追求されなかったのも、たぶん母は本当に何も考えてなかったんだろうなって感じで、私が何を考え何をしてるとかっていうのが、あんまり関心がないタイプだったのかなっていう風に思っています。

 

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ー母親についてー

 

わ)お母さんに対して何か湧いてくる感情っていうのありますか?

か)ないと言うか、世間の人だったら、母としての愛情注いで欲しかった、とかっていうのがあるのかもしんないけど、とにかく就職したあとにすぐお金の要求をされたのもあったので、お金の要求があったりとか、買っておく。私は父親の役をずっとしてたので、母の夫の役割をずっとやってたので、お金を出すことによって私はその家庭内での居場所があったって感じなんです。

そういうのやってるうちにも理不尽なことを言われたりとかされてたんだけど、この人の考え方はわからないからもうこれはこれでいいやっていうの感じですね。

だから今一緒に住んでるんだけど、あんまり同調すると理不尽なこと言われるので、境界線をもって接してます。少し発達障害的な側面があるのかなと思っています。・・今までの家族の中でのやり取りでもちょっとそんな感じだったので、彼女は彼女で、それで生き抜いてきたんだろうなと思って、特に恨みとかはないですね。 

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ー就職ー

 

か)就職をしたんですけども、やっぱりそこでもセクハラが結構ひどくて、あんまりにもセクハラ受けることがあって、それでお給料もらってるわけじゃないのに、お給料安いけどうちの母からはそのまま大人の男並みの生活費っても要求されるって事があって、もうどうせだったら、と、セクハラが本文のって言ったら語弊があるんですけども水商売の方に行ってしまおうと思って、稼ぎがいいというのもあったので、それで水商売に入りました。

 

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ー同棲ー NOを認めてもらえない/自己価値と希死念慮

 

わ)18から28まで同棲されたころのことを教えてください。

か)たまたまそう言ってくれる人がいて、まずもう家がすごいいやだったので、就職先も凄かったので、彼の家に泊まってとかって言うか、だんだん同棲って感じです。

でも、いつか結婚ってなるのかなぁとか、思ったんですけど。普通の彼氏かなって当時は思ってたんですけど、今から考えるとやっぱり、交渉を求められる時にこっちに拒否権はないんですよね。結婚はしなかったけど当時でなんかその、「女性たるもの男性の求めに応じるのが勤め」というのがあったから、そこは真面目に応えていたんですけど、やっぱり人間の生理学的に無理な体位とかを取らされるからすごく痛くて・・でもやめてって言うんだけどやっぱやめてもらえないで・・そんなに生活費を出してもらえなかったし・・

その時に、安心できるところがあったっていうのもあると思うんですけども、摂食障害リストカットが始まりました。

 10年経った後にですね、ある日、向こうからの求めを断ったんですよ、「痛いからやだ」って言ったら、めっちゃめっちゃキレられて、それが別れの原因になりました。 当時は「女性は求めに応えないといけない」と思ってたから、言ってしまった後に、ついに年齢もあれだし、女としての価値ももなくなったなと思って・・。自殺企図はずっとあって、何回かチャレンジしてたんですけど、認識してはいなかった。そういうことはやっていたけど、それは自分が死にたかったとかは言ってなかったけど、自分から死のうという意思をもったのは、その後からですね。「(自分は)価値がないのに何でこうピンピンしてるんだろう」と。そこが不思議でしょうがなくて。メスとしてもホモさぴとしても価値がない。「(そんな自分が)ご飯食べちゃダメでしょう」って。

 

わ)次の同棲が始まるまでのこと教えてください。

か)その彼氏が、友達と会うのをすごい禁じたんですよね。だからあんまり横のつながりとかがなくて、たまたま会社を通じて昔からの知り合いに一人繋がって、そこに相談したんだけど、でもちょっと自殺企図じゃないけども死のうとしてるとかって言ったら逆に「バカ」ってめっちゃ殴られて怒られて、心配してくれてるんだろうなと思うけど、、死んだらあかんみたいな感じのあれだったので、この人の前で言えないなと思って・・。

 

 わ)それは話し相手としてはすごい数少ない相手、もしくは初めての相手でしたか?

 か)はじめて。この人にはもう「そうですよねわかりました」ってふりして心開かないようにしちゃって。

 

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ー当時の自分・今の自分ー

 

 わ)その時どんな対応してもらったら違ったと思いますか ?

 か)それはわかんない。  自分が自分自身にそれは「自分が悪いからだ」と言っているから、「聴いてもらうことすらも申し訳ない」っていうか、そんな「価値がない人の話を聞いてもらう時間をとってもらって申し訳ないと思う」としか言えない・・。

 

 

わ)その時のかぴさんが話をしてくれるってのは、ある意味すごい SOS だったのかもしれない。 けど、SOS を出してるかぴさんには、心開いてもらうっていうのは、、すごい深い信念があるわけでしょう~こんな価値がない人間~申し訳ないとか、、どんな登場の仕方とか、アプローチだったら少しは(開いてくれたかも?)と言うのはありますか?

か)何もかも無理やったかな。そんな気はします。何とかしたいけども、自分も人も多分信用してないとか何もそんな期待はしてないんだろうなぁ 。

 

わ)もし(イメージで)その時の自分に今の自分が会いに行くとしたらその子の心を開ける?

か)いや無理です。逆に無理やりに開かせるのは・・人がいると気を使わないと価値がないと思うから冷や汗かいてしまう。

 

わ)それはその子が本当に人も自分も信じてないというのもあるし、かえって人に気を使っちゃうから、ひとりで寝かせててあげたいなって思う、かぴさんがいる。で、当時の自分のイメージはそうだけど、そのイメージが変わってきて、少しは人と人に気を許せるようになったっていうのはいつごろですか?

か)2,3年前です。いちばん大きいのは、40過ぎて本当にその女性としての役割を求められなくなったこと。女子力とか。男性にじゃなくても女性に対しても「きれいに」とか「美しく」とかしなくなっても大丈夫というか。楽になった。そのころ、自助グループの存在を知って、そっからこの人たちが考えてることっていうのが、自分が欲しかった答えに近いなと思って、会いに行ってみようと思って、動いたのが最初です。

 

 わ)なるほど。ちょうど40過ぎて女性としての役目から外れてきた自分の感覚があって、楽になった。

 か)そうです。結婚も出産も求められないし。

 

 わ)少し楽になった頃に自助グループに出会って、その人達が考えてることとかシェアしてることっていうのが、欲しかった答えに近いなと思って、その辺りからご自分の事を話したり・・

 か)はい。否定されずに聞いてもらえるし、こういう考え方で関わって、境界線的なものとか、そう関わるとみんな傷つかずでいいなとか、っていうお手本の、参考資料じゃないけど、持っているというがあって、「ここじゃん」みたいな、こういう考えの人がいるなら「このグループに属したら楽じゃん」みたいな。

 わ)そこから変わってきたんですね。ありがとうございます

 

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ー虐待の後遺症ー

 

わ)虐待とか暴力の後遺症どんなものか教えてください

か)その後から、今もなんですけども、人と二人っきりになるのは異常に緊張する。男性とかだとまず無理っていうのがあるんですよね。じゃあなんで水商売?ってのもあるんだけども・・、

やっぱりちょっと大声出されたりするのは実はほんとすごい苦手だし、理不尽なことをばーってまき散らすような職場だと結構無理だったりして、それで仕事が長く続かないってことも多々あって・・。

でもそれで履歴書にどんどんどんどん項目が増えていくと、ただ’飽き性でダメな人だ’みたいな感じにされることも多かったんですよね。だから、水商売に行かざるを得なかったっていうところもあるし・・

逆に、もう、自傷行為じゃないんですけど、そんだけ嫌な、いつ嫌な思いにあるかわからない・・とビクビクするんだったら、もう「嫌な思いが絶対ありますよ」っていう保証がある水商売に行った方がまだ安心なんですよね。そこでどうやって survive すればいいか・・っていう気持ちがあったので。

というのがあったんですけど、結局そこでやってることっていうのは長年の自傷行為だったなっていうふうに今では思っています。 

 

それプラス、PTSDだったなって最近思うんですけど、夢の中でその事件の再現が何回もあって、そのたんびに助けを求めて大声出そうとして出ないんですよね。でも実際では夢なのか現実世界ではものすごい大声出してたみたいで、すごい大声で起きるってので、家族から「あんたうるさい」って言われた、多分それは後遺症ではないかなと自分では思っています。

それが、自助グループに通いだして取れたんですよ。軽くなって、眠れるようになって、大声で起きることもなくなって、その後にこれPTSDなんじゃないかなと。関連性があったのかもなぁと思ったりしています。  実はその間に、その件で精神科に2回かかったことがあったんですけども、全然違う病気も、拒食だったりとか、アルコールじゃなかったんだけど、アルコールの方の問題とかを指摘されてて、それがその声が出なくてわーと叫んでしまうっていうのと、男性が、じゃないけども、突然やっぱ、その現場にいた時の、自分の感情がスーッと消えるっていうか、自分の意識がスーッとうしろに消えて、あの現状が何が起こってるか、本当膜が張ったような状態で認識できないっていうことが、やっぱ20年間以上、その被害にあって25年ぐらいかな、度々あったんですよね。ただそれも、何考えてるかわかんないとか、突然眠ったようになるとかっていうことで、仕事が続かないと、駄目だこいつって言われて解雇になったっていうのもあるんだろうなと思うんですけども。 そんな感じっていうのは後遺症だったんじゃないかなと思って、いまの精神科の先生にそこの部分って言うのはちょっと拾ってくれなくて・・。

 

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ー二次加害ー

 

わ)二次加害について教えてください。

 か)そうですね。二次加害になるのかはわからないんですけども、自分の中で先天的なものなのか、、恋愛感情っていうのが本当に分からなくて・・。  だからなんか付き合ってどうのこうのとか、気があるとかっていう話をするのがすごいのが苦手でもあるんですよね。アセクシャルとか自分のジェンダーが迷子です。生物学的に女子だなっていう自認はあるだけど、全くそういうところがなくて、だからその話についていけないしそういう感覚がわからないっていうのが結構大きい。自分がちょっと分からない。 

 

ただ単に遊びで付き合いたいのか本気で付き合ったのかわからないけど、その時(付き合った)男性がいて、その方に、実は「子供の時にそういう被害にあってるから付き合うのってよくわからないから怖いんだ」って言ったらその日に車の中でレイプされて・・。

それが、「お前一回そういう被害にあってるから別にも減るもじゃないけん、いいだろう」みたいな感じでいわれたのがすごいショックだったんですよね。 

聖母神話と処女性神話の、その精神みたいな感じで『女子がそれがなくなると価値がなくなる』みたいな社会通念てあるのかなっていうのを思いながらそれを受けるのも二次加害なんじゃないかなって思ったり。

 

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ーSOSー

 

わ)SOS について教えてください。

か)はいそうですね。やっぱそういうことじゃなくても結構大きな性暴力とかもあったので、実は警察にも相談したりとか、性暴力被害者センター支援センター・・東京だと違う名前だったと思うんですけども、そこに相談をしたんですけど、もういい歳こいてじゃないけど、32歳だったりとか、あの二人きりでいたら同意とみなされますよみたいな感じで言われて相談員そうですね警察もやっぱそれ以外でそのあの最初の職場の職責セクハラって言っても、車の後ろに引き継がを引きずり込まれてレイプみたいな感じだったとか脱がされるとかあったんですけど、それも言ったんだけど、そういう格好してるほうが悪い的なアレとか勤務中にそんなことがあるはずがないみたいな感じでは、2件ほど受理してもらえななかったんですよね。 

だから、ますますなぁって、じゃあどう自衛しろって言うのさって思うけども・・世間の認識ってそんなもんかっていう、もう諦めでもありますね。

そして今の職場でも、警察がひったくりとか、性犯罪とかがあってますから気をつけてくださいとかっていう風に言ってくるれるんですけど・・。「どう気をつけろというんだ!」でもまたあの人間に言ってもしゃあないしなと・・。

 

 わ)警察に行かれた時は誰かに一緒に行ってもらって、じゃなくて、一人で?

 か)はい。うちの周りは相談したら、「そういう目に遭うあんたがスキがあるんじゃないの?」と。そういう時は隙があるんじゃないのって言われるんですよね・・世間一般に「男ができない・彼氏できないのは隙がないんじゃないの?」と言われるし。どっちやねん!と・・

 

わ)受理されてもらえなかった時も、一人で、それを抱えて、家に帰って、普通に過ごしてたんでしょう?

行く前、行った時、行った後のこととか誰にも話せてない?  

 か自分でも腑に落ちないから、やだと思うんだけど、でも、社会通念ってそうだよね・・っていうのがあって。どっかで納得するしかない・なんか理不尽だよなあ・・と思いながらも、これが常識か・・っていう風な感じでずっと過ごしてましたね。

 

 わ)「これが常識」という風に考えるなら、そこから外れてしまったと社会に言われてしまう状況になった自分というのをどんな風に考えていましたか?

 か)そうですね。私は常識がないおかしい人間だと今でもちょっと思ってるところがあるんです。

 

わ)なるほど、そういう風に思っちゃうご自分がいて、でもそれはそうした思考と同一化しちゃうということもあるだろうけど、

それでも「これは被害だから」と(被害届を)出しに行ったかぴさんもいた。「どこかおかしい」とか、「救ってもらえるんだったら助けてもらいたい」とか、、「これは加害である」「自分は被害をうけたのだ」と認めてもらいたい思いは・・?

 か)共通認識とかベーシックになればいいなーっていうのは思ってます。ただ自分がそう思ってるけど、みんなは、その当時はみんなはそう思ってないんだと思って、おかしいけど、そうじゃない社会があればいいなって思ってたら、案外そうやって活動してる人がいるって言うの最近知っって、それですごく強くなったっていうのはありますね。

 

わ)当時はそれが社会通念だって持ってたけれども最近になって活動してる女性達がいる、女性だけじゃないかもしれないけれど、それを知って、今のそういった流れは、今のかぴさんにとってどんな気持ちですか?

か)やっと、やっと、スタンダードの時代になったな、と。 やっと今から。まだ随分今おかしいぞーと思ってて、スタンダードの芽が出た。本当に今の常識はおかしいと思ってるんですよ。

 

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ー仲間へのメッセージー

 

わ)仲間へのメッセージをお願いします。

か)今、あなたが、性虐待、直接なものにあったんじゃなくても、なんか自分の中で「これおかしいな」と思う事とか、過去に(例えば私の場合は「泣いてはいけない」)言われたことを守っているだけど、どうもそれが自分のなかで引っかかるというものがあるんだったら、私たちは味方になれるかもしれません。

もしそれを周りに言って「いや、それあんたかおかしいよ」とか「社会ってこういうもんだから」「あんたさえ黙ってれば」とか言われて納得できないようだったら、是非私たちのところに来て、話してみて、自分なりの答えを見つけてみるっていうのもできるかもしれません。 

 

 

わ)ポジティブシンキング・占い・スピリチュアルなどの二次加害について

か)子どものころにSOSをだしてやっぱダメだったって思って、で妄想世界の常識ってこんなのかって、その自分だからおかしいなと思いながら大人になって。でもやっぱ生きづらさが抜けなくて。相談できるとこは占い師かスピだったんです。そこで色々学んだ言葉や、いいこともあったけど・・、ちょっと引っかかってしまうっていうのがあって。

「今までのことに全部感謝しないと駄目よ」とか「それはあなたが人生で選んだ青写真だからあなたが全部選択したことだから」とかっていうのは・・・。今でもそういうカウンセリングをしてたる方は往復びんたしたいです(笑。 

それよりも何よりも、自分がまず第一に「傷ついた」っていうことを自分で認める。「自分が傷ついたんだ・つらかったんだ」って言える場所をつくることのほうが大事だと思うんですよね。それをすっとばして、「マイナス言葉を言うと駄目になるからプラス言葉で」・・なんて言って無理くりプラスのポジティブな風に捉えようなんてすると、絶対に身体を壊します。そういう人たちっていうのは、そういう怖いことに遭ったっていうことを聴くのもすごく怖いから、見たくないと思って口を塞いでくる。そこも、二次加害というか、セカンドレイプだと私は思ってます。

 

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