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empower channel  #5 もまい さん インタビュー書きおこし

empower channel  #5  もまい さん(30代) インタビュー書きおこし

※インタビュアー:わねざきいくえ

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ー家族ー

 

も)もの心ついたときから、家の中では、母親と父親はけんかをして、ストレスは

4人姉妹の長女である私に矛先がきてたりというものあって…、もの心ついたときから虐待の環境で育ってましたね。

 

わ)それは姉妹で一番上のもまいさんが一番影響を受けてた感じですか?

被害から守ってくれる大人は?

 

も)いなかったいなかったですね。やっぱり、今だからわかるんですけど、父親も母親も機能不全家庭育ちで、それが当たり前。

じいちゃんもばあちゃんも、見て見ぬふりじゃないですけど、当たり前やろ,と。

逆に、何がおかしいと?みたいな・・

 

 

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性的虐待

 

も)母親が離婚した時、そんなにすぐ経たない間に、男の人が出入りしだして…、

母親の彼氏だったんですけどその母親の彼氏には性的虐待を受けてたりとかしました。

 

わ)何歳ぐらい?

 

も)10才。小学校4年生の時ですかね。

 

わ)小学校4年生じゃ何もわからないですよね…

 

も)何も分からないですね。自分の身に何が起こっているのかとか。

わからないんですけど、なんかこう、気持ち悪いことをされてるとか、いけないことをされてるっていう・・認識はあったけど、どうしたらいいか分からない。

 

わ)今お話しくださったのは、最初に被害にあったときのこと?それとも重ねていって、困りだした最初から?

 

も)やっぱり段階があって。最初はお風呂に一緒に入るとか、一緒に入る約束もしてないんだけども、自分が入ってたらあとから勝手に入ってきたりとか、それからなんか体を洗ってあげるとかで、体を触りだして、次は布団の中に入ってくるとか、そういう段階が結構あったうえでの、最終的にはもう全部やられてるみたいな感じですね。

 

わ)そうだよね、一緒に暮らしてる人だから、そういう日常の中の関わりの中で、段階をおってすこしづつどんどん距離が近づけられたら、それが暴力だなんて分からないよね‥‥

 

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ー最初のSOSー

 

わ)SOSについて教えてください。

 

も)最後までやられるまでの段階で、母親に、なんか触られるんだよね、きもちわるいって伝えて・・

 

わ)お母さんに伝えた・・

 

も)(性的虐待は)小学校4年5年になってから中学2年まで続いた。

母親に言ったのは、5年生くらいに上がるか上がらないくらいか。

「それはあなたが可愛いからよそれぐらいで」みたいな感じであしらわれた記憶があるんですよね、いろんなとこ触ってくるくらいしか言えなくて・・

 

 

ー2回目のSOSー

 

も)で、だんだんエスカレートしてほぼほぼ全部やられてる時に、次はばあちゃんにいってみようと、そしたら「そんなことばあちゃんに言われても困るから母さんに言いなさい」と。

 

わ)・・・ちゃんとSOSをだしたのにね、、

 

も)そうですね、けっこう勇気がいりましたけどね、あれは・・

勇気を出して助けを求めた結果、たすけてもらえないことが続くと、 無気力じゃないけど無力感、もうなに言っても無駄・・

 

わ)やめてほしいことが続いてしまって、誰も辞めさせてくれないから困ってたわけだもんね、小学生で・・。 勇気を出したっていうのは、どういう勇気だったのかしら、なんですぐ言えなかったんだと思いますか?

 

も)なんていったらいいかわからない。どういう風に表現したらいいかわからない。

あたまとかうでとかあしをさわられるだけじゃなくて、水着でかくされている場所を触られるっていうのを、どう言えばいいのかわからなくて・・しばらく考えていた。

とにかく「いろんなところを触られて気持ちが悪いし、風呂にも勝手に入ってくるのがいやだ」と訴えはしたんですけど・・。

 

わ)で、ばあちゃんに伝えても、ばあちゃんは自分が困るから自分でお母さんに言えって言われて、絶望だったってことですよね・・その後は?

 

も)誰にも助けを求めなったですね。

それぐらいから私自身の様子がおかしくなって、急に太りだしたりとか勉強を授業についていけないのかと、学校の先生からもあんまりよく思われていなかった、人とコミュニケーション訳が分からんけど先生も理由がわからないけど、あんんまし可愛くない生徒、明るくないししゃべらないし。

 

わ)それも全部暴力の影響だったんだよね。今思うと虐待の影響なんだけどね・・

中学に入ってから先生に話した・・

 

も)性的虐待は中2まで続いて、当時の部活の顧問の先生が一番ちょっと話しやすそう雰囲気だったから、もう一度勇気を出して話したら、先生が親に連絡してくれた。

親が学校に来て先生と話をして、先生から親に言ってくれた。

 

 わ)お母さんに先生から話をしてくれて状況は改善されましたか?

 

も)男自体はいなくなったので(家を出ていったので)。

被害を受けることはなくなったんですけど、(母親は)ケアとかフォローが全くなく、日々なにごともなかったかのように日々過ごしていくという・・ 

先生の前では泣きながら謝ってはいたんですが、家ではそういう感じでした。

性的虐待は一旦そこでおわった。

 


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機能不全家族

 

 

わ)家にそんな暴力があって、家は安全な場所じゃなかったですよね、

もまいさんにとって自分の家ってどんな感じでしたか?

 

も)うちは自分の家族とか親とかじいちゃんばあちゃんも含めて’おかしい’っていうのは早いうちから分かってて、完全に洗脳されているわけではなかったですけど、

他の友達の家とか他の人の家とか家族とか見てたら、あきらかにうちがおかしい、とにかくうちがおかしい、としか思えなかったというイメージで・・

 

 

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ー交際相手・結婚・離婚ー

 

わ)それで外に出るようになったり交際相手、自分の恋人とかそういう関係性っていうのを持つようになったんですね。

さっきお話してくださった寂しさから、とか、あったかい家族がほしいとか、そのあたりについて教えてもらえますか?

 

も)やっぱり(家族に)嫌悪感がある分、理想化がすごかったんでしょうね。

家族に対しての自分が作る家庭に理想がすごかった。

ただ理想といっても、ただ普通に平凡、自分が与えられなかったものを・・

普通に、お父さんとお母さんと子どもがいて、ただ普通のことを求めていたんですけどやっぱりなんかうまくいかなくて・・

 

わ)それはパートナーとか恋人との関係性がうまくいかないのが繰り返される感じ?

「似た者同士」っていうのは、相手も恵まれない環境で育った人っていう

 

も)それでやっぱ最初は意気投合するんですよね。

最初はそうなんですけど、それでまあ私もまだ何も知らないときだったので信じるというかこの人だったら、自分がされた自分がつらかったことを人にするわけがないと、やっぱ思うじゃないですかやっぱ・・。結婚すると男の方は自分が育ったようにするし、DV家庭に育てば父親のように暴力をふるうとかそういう人とか・・。



わ)結婚相手とか恋人からも暴力 DV があった?

 

も)16でできちゃった結婚をして1人目を生んで、18で離婚して、25で再婚して2人目ができてスピード離婚して×2になった。

 

 

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ーサバイバーの子育てー

 

 

わ)子育てはどうでしたか?

 

も)自分は親みたいになりたくない思えば思うほどきつかったですね。

最初は特にきつかった。モデルがないので。どうしたらいいのかわからない。

子どもが自我を持ち出したときにそれがわからない。

ただでさえ母親は大変なことはあるのですがイライラしたときとか切羽詰まった時に自分をどうしたらいいかわからない。

 

 

ー支援・相談ー

 

 わ)そういう時は誰かに助けを求めたりしましたか

 

も)求めなかったですね、逆に怒られそうな気がして・・自分が子供にこういう対応をしていることとか。相談先に。子育て支援とか。説教されるような気がして。

話はその時うんうんと効いてもらっても電話を切ったらいつもの日常に戻るので・・

どう解決していったらいいかわからない、その繰り返し。

 

 

 

ー二次加害ー

 

 

わ)実際そうした(説教のような)二次加害的なことはありましたか?

 

も)友達とかカウンセリングとか、つらいって言ってたんですけど「母親なんだからしっかりしなさい」とか「母親は強くならないとだめ」「子どもを育てていかなくてはいけないのに」とか・・、 

 

わ)追い詰められてく・・どうやって抜けた?

 

も)抜けられなかったですね・・。矛先が自分が子供にしか行かない状態になる。で病んでいって。殴る蹴るの虐待のようなことはなかったけど 反抗期の時は喧嘩で殴ったけど、自分に矛先が向いてて摂食障害が酷くなったりとか。結局どこかに出ますね、それは。ギャンブルはしないし薬物もしないし、けど結局摂食障害にいってそっちに依存してしまった。

 

 

 

摂食障害

 

 

わ)娘さんが生まれる前から?それとも育児中に?

 

も)元々摂食障害はあった。小4、性的虐待を受けてすぐに太りだした。そこが過食のはじまり。 妊娠中はやめられたりしたが、付き合いは長い。

 

わ)摂食から抜けられてる感覚があったら教えてください。

 

も)自己理解とか。子育てもいまは多少余裕はできたいので(1人目の子とは)年齢が当時とは違うから。支援とのつながりも当時とは違う。

 

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ー回復についてー

 

わ)誰かと一緒に考えてくれる仲間とか、つながってたらもっと回復が早いんじゃないか(とうことですね) もまいさんにとって回復ってどんなイメージですか?

 

も)回復は・・。虐待を受ける前の自分に戻ることは無理なので、振り返ったりとか記憶は残っているの何がで完全に忘れることは無理でも少しづつでも乗り越えてうまく付き合っていくことができたら全然ちがったけ違った景色が見えると思う。

 

 

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ー虐待の後遺症ー

 

わ)虐待の影響として大きい物ってなんだと思いますか

 

も)私の場合は、大きくいうと人間関係に影響が出てる。

ダメージというと、そのご後の人生とかも。人が信用でき人が信用できないとか・・。

100%信用できる人はいないとは思うんですけど、疑ってかかるというのはある。

 


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ー一緒に学ぶことー 

 

わ)一人で(回復について)勉強したり、考えたり、整理をするのは大事だけど、やっぱり一人だと限界があるんじゃないかと思うのですが、「一緒に」っていう気持ちには、昔からなってましたか? 

 

も)ひとりで頑張った経験しかなくて ひとりでいける、と、思ったりもするけど、

でもやっぱり時間のかかり方とか回復の仕方が全然違うとおもう。

その間、何ができたのかな、とか、好きなことできたんじゃないかなとは考えます。

 

 

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インナーチャイルド

 

わ)もしもまいさんが小さな子達に SOS を求められたら最初何て言いますか

 

も)話をとりあえず話は聞きます。声をかけてすぐにはなせなくても、一緒にいていてあげることですかね。

 

わ)うん。その子が私たちに話をしてくれる時には、その子がここまで来てくれて言葉を自分の口から出すまでに、どんな時間と思いを一人でその子が抱えてるのかって想像できるよね・・・、

ひとりで、小さな胸に抱えるには大きすぎる重すぎる。 

そこに来てくれて話そうとしてくれただけでも、頑張ってくれたんだよね。

そういう理解を持てる大人が増えていけば公衆衛生上虐待とか暴力の被害とか、

被害はずぐに全部がなくなりはしないだろうけど、被害の影響とかは少なくなっていくんじゃないかなって・・早い解決につながるかなと思う。

今日はこうやって話してくれて本当にありがとうございます。

私たちのインナーチャイルドにもちゃんと寄り添っていこうね。

 

 

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ー仲間へのメッセージー

 


わ)同じように助けを求めても助けてくれないっていう状況にある子どもたち若い子たち、後遺症や影響を抱えながらパートナーシップや子育てに困難を感じている仲間の人たちにメッセージをお願いします。

 

も)まずは、私の時とは違って今はネットとかツールがあるので居場所がないとか話をただ聞いてもらいたいとかでもいいし助けてほしいでもいいけど当時は、支援に繋がってほしいです。世の中には弱みに付け込む割やつもたくさんいる。

後遺症など影響が出てる人は確かに不便なこともあるとは思うけど、だからと言って自分自身のことをダメとは思わないでほしいし、その都度一緒に考えていきたいと、思います。

 

 

 

 

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